アメリカ語学研修⑤
今日も現地校の授業を実際に体験してきました。英語のみの生活3日目です。そろそろ生徒も疲れが溜まってきたように見えますが、全員元気です。
昨日はサンディエゴでは珍しく雨が降りましたが、今日は快晴です。外で授業をしている様子も多く見られました。
アメリカの授業を見ているといくつか日本と異なる点はありますが、一番驚いたのは授業中の先生の問いかけに対して必ず生徒が手を挙げて発言します。さらに、先生が「他の意見はある?」と問いかけると、今度は別の生徒が発言します。発言に対して先生がレスポンスすると、また生徒は手を挙げて発言するのです。これは一部の授業だけではないです。私が見学したすべての授業で生徒と先生のディスカッションが行われていました。
ある教室を覗いてみると、「卒業(または進級)したければ、頑張りなさい」と書いてある張り紙がありました。この3日間アメリカの学校を見学していて強く感じたことは、日本人生徒はアメリカの学校は自由で羨ましいとよく言いますが、その自由は「何やってもいいい自由」ではなく「自己責任の自由」なのではないかということです。
アメリカでも授業中にケータイを見ていたり、寝てしまう生徒は多少います。しかし、他の生徒や先生たちは決して起こしたり、怒ったりしません。ただただスルーです。もちろん一緒になってふざけたりもしません。
寝ていて授業がわからなくても、自己責任。あなたが何かをするのも自己責任。その現状はあなたの行動の結果だから。やりたくないからやらないのも自己責任といった感じなのかなと思いました。
現地のコーディネーター曰く、入学はそんなに難しくないが卒業がかなり大変なんだそう。鼻ピアスをしていたり、髪がピンクやブルーの派手髪だったり、ソファーに寝っ転がっている、日本で言えば不良に見えてしまうような生徒はたくさんいますが、みんな真面目に話を聞いています。前述した寝てしまう生徒はほとんどいません。
アメリカの生徒は自己責任からか、かなり積極的で自己主張も激しいです。それに比べて、日本人生徒はどこか消極的な気がします。
午前中ダンスの授業を見学しに行ったら、ある生徒はアメリカ人生徒と一緒にダンスをしていたのですが、その他の生徒はソファーに座っていました。ダンス教師に「彼女たちは何しているの?」と聞くと、「わからない。」と一言。ソファーに座っている生徒は「ダンスは恥ずかしいからやりたくない。」「よくわからないけど、バディにここに座っててと言われた。」と言います。バディによって差が出るのでしょうか?私はそうは思いません。
おそらく、バディ生徒はやりたくないという日本人生徒の様子を見て、「じゃあやらなくて良いから、ここにいて」と思ったのではないでしょうか。日本だったら「そんなことないよ、できるよ!」「このレベルならやってみよう?」と教師や友達が声をかけますが、アメリカではそんなことはありません。ソファに座っていた彼女たちは入れてくれなかったと思っているかもしれませんが、なぜ友達はバディたちと一緒にダンスをしていて、自分たちはソファに座っているだけなのか、その違いと理由をしっかり考えられるといいなと思います。
また、ある生徒から「毎回の授業で私たちのやることがない。教科書もパソコンもないから何もわからない。先生から学校に教科書やプリントを貸すようにお願いしてくれませんか?」と相談を受けました。(コーディネート会社に問い合わせたところ、教科書やパソコン等を配布して授業を受けるには学生ビザが必要で、今回のプログラムはあくまで体験、訪問者なので厳しいです。)その生徒は授業で何もできなくて悔しくて、生徒なりに考えて相談してきたのだと思います。その向上心は本当に素晴らしいものだと思います。
プリントがもらえなくて困ったら...?何もすることがなかったら...?バディや教師に「私にもプリントください。」と伝えてみていたらどうだったでしょうか。そのときの授業はプリントがもらえて、少しだけでも理解できたかもしれません。
これからグローバル社会で生きていく彼らにとって、一番大切なことは積極的に行動することなのかもしれません。誰かが声をかけてくれると思ってモジモジしていたらおいてかれてしまうのです。自分から積極的にコミュニケーションをとる、行動することが大切なんだとあらためて感じました。
かくいう私も、初日は見学するために教室入っていいかな...とドアの前でモジモジ開けてくれるのを待っていましたが、次の日からは自分からドアを開けて、「May I come in?」と聞いてみると「いいよ!おいで!椅子いる?」と受け入れてくれました。そのおかげか、たくさんの外国人教師と仲良くなり会話することもできました。不安かもしれませんが、その不安を乗り越えて行動してみると次のステージに上がれるのではないかなと思います。
今日良かったこともたくさんありました。
ダンスの時間に参加していた生徒は、先生の話をよく聞き、周りの様子を見て、一生懸命チームの人と交流しながらダンスをしていました。すごいな〜と思って見ていたら、急にみんなの前に出てきてチームでダンスを披露することに。かなり緊張したと思います。踊り切った後に、チームメンバーと嬉しそうにハイタッチをしていました。ダンスの教師も「彼女すごいね、上手だね。」と褒めてくれました。
他にも、ある生徒が、学校が終わったら、私のところに「先生聞いて!!!」と嬉しそうに駆け寄ってきました。どうしたのか聞くと、「私のバディは生徒会の役職を持っているから、本当に忙しそうで、昨日までずっと日本人と話してたからつまんなかったんだけど、今日は生徒会の別の子が一緒にいてくれて、たくさん英語で話せてすごく嬉しかったし、楽しかった!」と伝えてくれました。
実際、昨日彼女は授業中は諦めてしまったのか、座ってケータイを眺めているだけでした。今日彼女が英語を話せて嬉しいと思えたこと、楽しい、また明日もたくさん英語で話したいと思えたことはすごく嬉しいことですし、彼女の成長への大きな一歩だったのではないかなと思います。
彼女のバディの様子を見ていると、彼女が日本人と話をしているとき、バディは声をかけていいのか、どうしたらいいのか不安そうにしている、彼女が授業中にケータイを見ていると、やる気がないのかな、無理にさせない方がいいかなと思っているような様子でした。バディは同世代の女の子です。お互いに手探りな状態なのかもしれません。明日は彼女からバディに話しかけてみたり、バディの仕事を手伝ってみたり、彼女とバディの仲が深まること願っています。
文章ばっかりで、長くなってしまいました。明日は生徒のホームステイ中の様子を見に行く予定です。
アメリカ語学研修が楽しかっただけで終わらないように、少しでも現地からいい学びができるように頑張っていきたいと思います!